商標部の特徴(ブランド戦略)
出願前の対策
商標は、出願商標の特定とその指定商品(役務)が特定されれば出願手続それ自体は簡単ではありますが、出願前の調査、検討が極めて重要です。
すなわち商標は、基本的には使用することが前提ですが、その使用商標と出願商標とが一致していない場合、あるいは使用する商品が他の区分に入るような場合等、出願前に検討する事項が数多く存在するからです。
商標部では、単に依頼者から依頼された商標を事務的に出願するのではなく、依頼された商標について予め戦略的に検討します。
出願前の対策事項
(1) 商標の選定時
商標を選定することは非常に困難で、一般的には複数の商標が社内で候補に上がります。このような場合には、まず使用を希望する商標の順に予め商標調査を行い、同一または類似の商標が登録されていないかチェックして、選定商標を絞りますが、その際、商標として識別力のない商標か否かは事前に十分検討します。識別力のないことが明らかな場合にはその旨を企業に報告し、識別力のある商標に変更する等アドバイスします。
(2) 商標調査結果→商標の特定
商標調査の結果、同一又は類似の商標がなければ使用予定の商標を選定して特定します。
(3) 出願商標の特定
上記の結果、使用予定商標が特定されると、それを第1に出願することですが、その際使用時のことを考慮して、文字のみか、文字と図形との結合か、さらには色彩やロゴについても考えたうえで特定し、それを出願します。
次に使用商標以外の類似商標や前記候補に選定された他の商標、さらには第三者が使用するであろう類似あるいは紛らわしい商標についても防衛的に出願するか否かも、併せて検討します。
(4) 指定商品・指定役務
商標は必ず指定商品又は指定役務に使用されるものであるため、区分化されています(現在45区分)ので、その区分内で商品や役務を指定しなければなりません。
従って、出願前に使用する商標が何に使用されるのかよく検討しなければ、せっかく登録されても指定商品(役務)と非類似の分野で登録されていれば、全く法的には意義がないことになりますので、要注意です。
特に商品によっては、区分が他の区分にも重複する場合がありますので、注意が必要です。
(5) 地域団体商標
地域団体商標を出願する場合には、使用する地域団体やその構成員の方々でこれを利用したい方は、すぐに商標部にお問い合わせ下さい。具体的に説明します。
(6) 色彩商標、動き商標、音商標、位置商標、モノグラフ商標、立体商標等
これらの商標については登録性の観点から出願前に検討しなければならない事項が多々ありますので、出願前の戦略会議が重要となります。
権利化対策
商標調査の結果、登録できる可能性が高い商標については出願手続をしなければなりませんが、その際重要なことは、出願商標の特定と指定商品又は指定役務の特定です。
これらのことは、当部では出願前に検討会を行いますので、事前の対策が十分図られており、すみやかな出願が可能となります。
商標調査の重要性
(1) 商標調査は、前記のように事前にその商標の登録可能性を予め予測できますので、極めて重要です。無駄な出願を排除できるとともに、経費の効率化が図られますので、必ず事前に商標調査を行って下さい。
(2) 商標調査は、登録性のみならず侵害性のチェックも同時に行うことができます。
企業の危機管理対策として、使用する商標は必ず使用前に侵害性の調査を行ってから安心して使用して下さい。企業のリスクマネジメントとして非常に重要な対策です。
(3) さらには、商標調査の結果、先登録商標があって、どうしてもその商標を使用したい場合には、不使用取消審判請求の可否や商標権者との交渉(買い取りまたはライセンス)も当部門では数多く経験しておりますので御相談下さい。
商標権侵害訴訟等法務活動
当部門では、商標の使用が他人の商標権を侵害するか否かの鑑定や、他社の使用を差し止めるための警告(被警告)等の商標権侵害紛争、さらには商標権侵害訴訟等も数多く経験しております。
例えば「餃子の王将事件」、「正露丸事件」、「PREMIAM事件」等、数多くの有名な商標事件も取り扱った経験があります。
外国商標対策
(1) 権利化
中国、ベトナム等の新興国や欧米等海外において商標の権利化を行うためには、個別にその国に出願する方法(パリルート)とマドプロ出願による方法(マドプロルート)がありますが、マドプロルートの場合には国内出願の登録が前提となる等要注意事項や検討事項が多数ありますので、出願前の戦略会議が重要です。
当部門では既に40ヶ国以上に出願実績があるとともにマドプロルートの出願実績も豊富です。
(2) 海外リスク
中国等では、日本企業のブランドが先に登録されている事例が多数あり、日本企業がその対策に困惑していますが、当部門では海外におけるブランド対策が充実しており現地の有力な商標事務所と提携して、不使用取消審判請求や異議申立、さらには買い取り交渉等多くの経験によって多数の事件を日本企業のために解決した成果がありますので、いつでも御相談下さい。